イーシュヴァラ(Ishvara)とは、サンスクリット語で「主」「統治者」を意味し、宇宙の創造、維持、破壊を司る神的原理や至高の意識を指す。インド哲学では、その解釈は異なるが、一般的に個人の自我を超えた普遍的な意識として理解される。
ヴェーダーンタでは、イーシュヴァラはブラフマン(絶対的実在)の個人的側面とされ、サーンキヤ哲学ではプルシャ(純粋意識)がプラクリティ(自然)を通じて現れる形態と見なされる。パタンジャリのヨーガ・スートラでは、イーシュヴァラは純粋な意識であり、カルマの束縛を超越した存在として瞑想の対象とされる。