五大元素(Five Elements)とは、物理的宇宙と個人の身体・心の構成要素として現れる、空(Ether)、風(Air)、火(Fire)、水(Water)、地(Earth)の五つの基本的な原理を指す。これらは、物質的な存在を形作るだけでなく、意識が自己を身体や個別の存在と誤認する基盤ともなる。
ニサルガダッタ・マハラジは、五大元素を「幻の一部」と捉え、自己の本質とは無関係であると強調する。彼によれば、これらの要素は、時間と空間の中で生じ、変化し、最終的に消滅するが、真の自己(アートマン)はこれらに影響されることなく、永遠に不変である。したがって、五大元素の理解を超え、それに執着しないことが、自己認識への鍵となる。
五大元素 | バランスが取れている状態 | 過剰になったときの影響 |
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地 (Prithvi) | 安定感があり、忍耐強く、現実的な判断ができる | 頑固になり、変化を拒む。物質的な執着が強くなり、無気力になる |
水 (Apas) | 感情が豊かで、愛情深く、柔軟に物事を受け入れられる | 感情が揺れやすくなり、執着や依存が強くなる。過去の感情を手放せなくなる |
火 (Tejas) | 知性が鋭く、判断が明確で、行動力がある | 怒りっぽくなり、攻撃的になる。競争心が過剰になり、衝動的な行動が増える |
風 (Vayu) | 思考が軽やかで、創造的で自由な発想ができる | 考えすぎてしまい、心が落ち着かなくなる。焦燥感が強まり、集中力が低下する |
空 (Akasha) | 視野が広がり、直観が鋭くなる | 現実感が薄れ、地に足がつかなくなる。孤独感や空虚感が強まり、実際の行動ができなくなる |