第三イニシエーションとは、ジュワル・クール覚者によれば、霊的人間がパーソナリティーを完全に統御したことを実証するものであり、「変容のイニシエーション(Transfiguration Initiation)」とも呼ばれる。この段階に到達したイニシエートは、肉体を統御し、情緒体を完全に作り変え、マインドを変質させることで、ブッディ界からの霊的な印象に感応する状態に至る。このイニシエーションを受けることは、個人的な意識が魂の意識へと完全に統合されたことを示し、パーソナリティーの主張や要求から完全に自由であることの実証でもある。
第三イニシエーションは、覚者や霊的ヒエラルキーの観点から見れば第一イニシエーションであり、これによりイニシエートは三界(物質界、アストラル界、メンタル界の低位四亜界)を完全に征服することが求められる。第二イニシエーションの後、イニシエートはメンタル体の統御を学び、想念物質を操作し、創造的に想念形態を構築する法則を習得する。この過程を経て、彼はメンタル界の低位四亜界で自由に機能できるようになり、最終的にアンターカラナが完成し、霊的トリアッドとの直接的な接触が確立される。
この段階に至るまで、イニシエートはグラマー(アストラル的幻影)と戦う段階を超え、イリュージョン(メンタル的錯覚)と戦うことを求められる。これは、メンタル界に蓄積された巨大な想念形態が思考に影響を及ぼし、それによって真理が歪められる現象である。メンタル偏極が達成された瞬間から、決断の第六イニシエーションのときに至るまで、この戦いは続く。第三イニシエーションの過程では、弟子はアストラリズムや情緒主義に対して完全に無反応であることを実証する必要があり、メンタルの明晰さと魂の意志によって導かれることが不可欠である。
第三イニシエーションの際、アンターカラナは完成され、魂とパーソナリティーが完全に融合する。これにより、コーザル体(魂体)は第四イニシエーションにおいて完全に破壊され、弟子の二重生活は終了する。この時点で、パーソナリティー全体が上からの光に満たされ、モナドのエネルギーが魂を通じてより明確に流れ込むようになる。第三イニシエーションの際にイニシエーター(つまりサナット・クマラ)が杖を用いることで、高位我(魂)のフォースをより広範囲に活用できるようになり、コーザル体に蓄積されたエネルギーを物質界で発動させることが可能となる。
また、第三イニシエーション後、イニシエートの脊柱基底センターのエネルギーはヘッドセンターへと移行し、霊的トライアドの意志の行使によって統御される。このとき、仙骨センターと太陽叢センターの光は消え、これらのセンターは単なる受容器としての役割を果たすようになる。この段階を通じて、イニシエートはサイキック能力を安全かつ賢明に用いることが可能となり、より高度な想念形態を創造し、それに活力を与える能力を得る。
最終的に、第三イニシエーションを通じてイニシエートは直観界(ブッディ界)に自由にアクセスできるようになり、知性(マインド)は背景へと退く。この転換点を超えることで、彼は個人的な意識から神聖な意志との融合へと進むこととなる。このイニシエーションを受けた者は、光の同胞団の一員として、完全に霊的ヒエラルキーの意志の道具となり、より高次の奉仕へと進む準備が整うのである。