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自然の霊
静かな森の中の木々に囲まれて、幾千幾万という眼がわたしを無表情に見つめているように感じて、恐ろしくなり、この土地には何かしら意味さだかならぬ曰くがあり、立ち入ってはならぬ場所、禁じられた存在の深淵めいた視界の内部に意図せず入り込んだ気がして、買おうと思っていたはずの土地に懐疑が芽生え、そこで感じた奇妙な不安、見られていることの恐怖の意味を突き止めたくて、その土地を見てほしい、恐ろしくも神秘なその何かを確認してほしいと友人が言うものだから、それほど遠くもないため彼にわたしは... -
瞑想と意志
エゴ(魂)の意志がその反映であり、個人の自我意志がその歪曲であるモナドの意志がアンターカラナを経由して徐々に物質界にいる人間に直接伝えられる。……個人の意志とエゴの意志は、私たちがその中で生き、動き、存在する方の目的であるモナドの意志に同化される。これが真の燃焼が起こる領域である。 アリス・ベイリー「光線とイニシエーション 上 」p.52 より正確な翻訳を試みるとき、瞑想は集中ではなく意志である。個人意識は、人間の自由意志しか知らない。この場合、認識できるのはフォース面のみであり、... -
あらゆるものなしに私は存在する
あらゆるものと関係がないとは、あらゆるものなしに私は存在するという意味である。自我は、あらゆるものを通して経験を積み、経験から間違いや正しさの意味を知り、それらの概念という想念を通して正しい波長、本来の自然な波長に意識を一致させるようになり、そこで想念から自由になり、あらゆるものは想念であり、そのあらゆるものと私は関係なく存在しており、あらゆるものを私は必要とせずに存在しており、自身がすでにして完全であり、実現されている真我であることを知る。こうして、存在すると思われてき... -
謙虚さ
呼吸困難に陥った人は苦しみもがく。ここで彼を元の状態に戻してやれるならどうだろうか。必死で空気を吸い込み、そして吐く。まさに息ができるということに、彼は強烈に感謝するだろう。しかし、彼は生まれてこの方、息や呼吸を当たり前だとみなしてきた。吸っては吐くという命の恵みに生かされながら、それを忘れ、呼吸を当然のものとし、いわば傲慢に陥っていたことに気がつく。神秘な生命の力が、自然な呼吸を与え、われわれを生かしてくれていたことを思い起こす。彼の力なくして、われわれは息すらできない... -
不良と更生
高校生のいとこが不登校になったあげく、親に手を出すほど不良になったという。不良とは、良くないと書く。これまで、医者にならせるべく必死に子供を育ててきた親が、まさか殴られ血を流し、大声で殺すぞと言われようとは思いもしなかったという。もはや親と子という関係に戻ることすらできない。わが子がどうなるのか、そして私の人生はこれからどうなるのかと、母親は現実におびえ慄いている。 良くないことを子に押しつけてきた結果であることを親は認識しうるだろうか。この成績では医学部に受かりそうにない... -
法学
法を守りつつ裁かれる者はいない。法に生きていながら、同時に罪を犯した者はおらず、よって罰せられた者もいない。真理の領域に冤罪はなく、天網は愛として無限にゆきわたり、現象の世界で起こる出来事にはいかなる偶然もありはしない。かつての行為の種を、われわれの名や形は刈り取るが、それに対しては法則内から、つまり法を破ることなく対処することで、さらなるカルマが生み出されることはなくなる。これを知ることが解脱である。というのも、真の瞑想において、われわれは完全に法則に入り、自我や感覚知...