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無職
瞑想するようになってから、社会生活に困難を感じるようになったという質問について。バランスが分からなくなった。仕事や人付き合いとの両立が不可能に思え出し、果ては会社を辞めて無職となり、恥を忍んで三十を過ぎた男が親の脛をかじるまでになり、実家に戻るも近所の眼が痛々しく、外を出歩くのも億劫で、瞑想を真剣にしているとは言うものの、気づけば無職のひきこもり、気の狂れた世捨て人と言われなじられるまでになり、失敗した人生という感覚に圧倒されている、過去の栄光は過ぎ去り、今は将来への不安... -
無関係
迷惑メールに振り分けられており、気づけなかった全ての質問を今しがた読んだ。わたしが基本的に質問を受けつけていない理由のひとつは、何の回答も持ち合わせていないからである。主張のための基準や価値観と関係がないため、実際のところ、分からない、答えがないと感じる。誤解を招く可能性があるが、どの質問にも興味がなく、何に対してもひたすら関係ないと感じる。質問者は現実感に負けてなにかを案じているが、彼らが本質的に安全であることをわたしは知っており、その領域をわれわれは共有しているが、彼... -
目を瞑る
すべてを癒す内在の無際限なる無について。頭で考え、頭で追いかけると、頭の中で迷うだろう。われわれでありうるもの、このすべてを自発的に服従させる力、神聖なるエネルギーや波動がある。これは、静かでなければ意識のうえにのぼることすらなく、自我意識で構成される世界にあってはほとんど知られていない。それは隠れ、存在していないことになっている。実在と非実在が逆転しているのだが、人としての経験を通して、人もまたやがて非実在に関心がなくなり、関心をなくさせた波動や存在の方に集中が注がれは... -
本当に求めているもの
自我において、内なる旅路は難しく感じられる。道を歩いているようで、そのじつ道が見えない。茫漠と広がる砂礫のなかに独りかと思えば、人や建物に囲まれて、誰とも相容れない異質な自分に窒息しそうになっている。目に見える幻を現実だとかたく信じているのである。世界は宗教であり、大掛かりな洗脳であり、一人ひとりが目に見える物質を信仰している。感じられるもの、気分や衝動に追い立てられているが、それらの力もまた物質である。人類は、いつか目を瞑る必要があるだろう。 内なる領域を見るためには、そ... -
力の話
人は行為で判断され、評価を下される。行為という見た目上の現象が人のなかで権威になっている。だから、いつも何をしろ、何をするなと言われる。そして行為によって祝いと罰がある。反省しますと人は言うが、一生反省している者だらけである。行為が結果にすぎないことが分かりませんか。重要なのは行為ではなく、行為をさせたものだと気づけますか。見えるものが人の世界では権威である。その現象を起こさせた力については誰も責任を問わない。例えば殺人は結果であり、殺人をした肉体を罰することが人の世界で... -
音学
音楽は、そのまま読めば"音を楽しむ"である。音もまた波動であり、一般的に楽しまれている音の響きが、すなわち人類の平均的な波動に対する感受性の段階を示している。その楽しむは、情緒的なものである。音の波動が上がるにつれ、それは情緒的に楽しむものではなくなる。高位の波動は、情緒を楽しいと感じさせる自身の傾向が浄化されたときに感受できるようになるものである。その波動は静かなものであり、いわゆる沈黙の音である。それを人が聴くならば、神聖なものに伴う厳かさ、敬虔とも呼ぶべき崇高ななにか...