瞑想– category –
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医術
生活習慣病の結果、心臓や脳の病気になったり、癌を患うことになったのだと医者は言います。つまり、健康になりたかったら生活習慣を改めなさいと言うのです。なんとも乱暴で半端な教えではないでしょうか。なぜなら、私たちが悪い生活習慣へと強いられねばならない原因について、彼らは何も知らないからです。原因は知らず、結果を変えなさいと教えているのです。こうして人々は努力や改善という抵抗に苦しみます。先生と呼ばれている人たちは、おそらく無理だと知りつつ生活習慣を正せと薬を処方しながら指導し... -
脱獄
長く刑務所におりました。最初の頃は、娯楽の時間が楽しみで、だいたいテレビを見て過ごしました。囚人仲間と一緒に、脱獄もののドラマや映画を好んで見たものです。登場人物を見ては、あいつはすごかったな。登場人物のアイデアや手法を見ては、あれはすごかったな。鑑賞を終えると、仲間たちと感想を述べ合うのですが、やがて時が来て、刑務官に娯楽の終わりを告げられます。さて帰るか。現実に戻ります。それぞれの牢へと自らの足で帰ってゆくのです。今まで見ていたものは、あくまでドラマや映画です。自身が... -
暴れ者
人は解決に生きている。現状の打破、新たな旅立ち、より良い生き方などとは言うものの、それらは単に、現状からの逃避である。これを繰り返すのが人生と思われているが、解決した者はいない。つねに新たな問題が立ちはだかる。そして解決を求めつつ、問題から問題、逃避から逃避で人生は終わる。このような精神たちに欠けているのは、問題ではなく問題の根っこを扱う内的な知恵への感受性である。彼らは外的な目に見えるもの、出来事、感じられるものを現実と見なしており、実在と非実在が逆転しているために迷っ... -
リズムの法則
高所の沈黙へと入る能力が必要である。マインドの鎮静化はリズムの法則によってもたらされる。もし、あなたが多くの方向に揺れ動き、あらゆる方向からの想念を感知するならば、この法則があなたに作用することはできない。そのため、平衡を達成できるようになる前に、バランスと安定を取り戻さなければならない。波動の法則と原子質料の研究は密接に絡み合っている。これらの原子とその活動と反応と相互作用についてもっと多くのことを知ったとき、人々は波動の法則とリズムの法則に同調し、科学的に自らの諸体を... -
動力
動物は、動く物と読むことができる。しかし、物自体では動かない。死体は、生きていたときは動いたが、死んだあとは動かない。物を動かす力を動力とも言う。この力はエネルギーである。人体を動かしている動力がある。人間を動かしているエネルギーがある。このことを本当に知るならば、「私」という発想は不可能である。主体的な行為者である私という想像に甘んじることは不可能である。動力が、物を動かしている。この動力を知り、自我を動かしている低位の動力ではなく、高位の動力であるエネルギーに諸体の波... -
或るメモ
今日も朝起きる。気分が悪い。しばらくすると仕事だ。生計を立てるため、嫌なことを堪えて今日も生きている。いわば、生きるために生きている。これが生なのだろうか。しかしこの生は、死によって、やがて終わることを知っている。ならば、生が終わるまで、死が訪れるまで、生きるために苦しみつづけること、生を堪えつづけること、死ぬまでの時間を潰しつづけること、これが生なのだろうか。それに何の意味があるのだろう。考えてもぼくには分からない。だからこんな生は辞退したいと思っている。放棄してしまい...