休息のテクニック

ずっと瞑想することができないように、波動の維持が難しいのは、長時間、新たな高い波動を諸体に適用するという負荷に、最初は諸体が耐えられないためである。この場合、適切な休息や娯楽を逆に取る必要がある

波動の下がりを最小限にし、賢明な回復時期を適宜、見極めることが求められる。例えば7ばかり波動を上げたなら、次の回復(普通は瞑想)までに、7以上波動を落とすようなことを避けねばならない。7未満の下がり方、せいぜい6下げるもので持ちこたえ、徐々に3とか1とかの下げ方でよくなるように調整し、最後に下げなくてよくなったら、最初に得た7の波動はほとんど恒久的に自身のものになり、次の転生でもそれは引き継がれる。と同時に、意識は拡大するため、新たな意識領域とそれを阻むフォースにも気づくようになり、次の亜界の征服へと瞑想者は安全に向かうことができる。この過程がいかに時間でいえばゆっくりしたものであるかを知り、性急になることが危険であり、漸進的であることが安全であることを知る必要がある。すると娯楽や遊びによって、自身が失敗したことを責める傾向からも解放されるだろう。修行という考え方で自らを縛り、非常におのれに厳しい方がおられるため、休息や娯楽が、睡眠のように長期的な意味でテクニックであることを強調したい。

こうして、波動の観点からたえず自身を見守る癖をつけることは、我々を大いに助けるだろう。理論ではなくフォースそのものを捉え、扱うことが可能になるからである。現実では簡単なところから見直して、例えば朝コーヒーを飲む習慣があるなら、飲んだ瞬間に波動が落ちることを確認しなければならない。物質のグナで言えば、サットヴァ化するのが霊的な目的であるのに、ラジャスが刺激され、よりアストラル的になることを見る必要がある。したがって色の付いた飲み物より、無色つまり水の方が純粋であることは自明であり、しかも水つまり無色は、自身の内部の暗色を浄化する作用がある。休息の中であえて波動を下げることを意図してコーヒーを飲むならいいが、ただ習慣だから飲むならそれは無思慮になる。波動の維持や向上を心がけるとき、それは有色の飲み物や、炭酸飲料、アルコールの入った飲み物ではなく、水をよく飲むことが助けになる。これはもちろん一つの例である。

こうやって、すべて波動の観点から学び、ひいては、自身の感情や、欲求や恐怖や、想念や行為といったものまで、波動的に捉えることが肝要である。例えば肉体的な礼儀作法というものがある。あれは波動的に理にかなっている場合が多い。姿勢や立ち居振る舞い、これに心が伴うならば、それは諸体に良い循環を生み出す。心が伴うとき、礼儀や礼節が単に形式的なもの、関係を円滑にしたいがための虚礼ではなく、内なる美のあらわれであり、肉体的なものがアストラル的にもメンタル的にも良い影響を与えることに気づくだろう。例えば質問を受けるとき、礼儀正しい人と、自分のことに夢中なあまり礼儀を欠いている人がいることに気づく。これは批判ではなく、礼儀や慇懃やまごころといったものが、正しい波動の外的なあらわれであり、逆に無礼である場合、おのれ自身に失礼であることを知り、自ら光を閉ざしていることに気づいてもらいたい。

生は喜びである。喜びのない間違った厳しさは苦痛である。その不自然がいわゆる災いのもとになりがちである。教師方が、常識やバランス感覚を求めるのは、初心者を危険から保護するためである。また、回復の時期を見極めることに失敗して、長く帰ってこれなくなる可能性がないよう、日の出、日の入り、睡眠前など、定期的に瞑想する習慣をつけることが求められる。やがて魂のエネルギーが入手できるようになると、魂が強制的に波動の教育を個人に対して行うようになる。「そろそろ瞑想してほしい」としばしば日中で言われ、仕事をしていようが家族サービスをしていようが、これに抗うことは苦痛のあまりできなくなるため、瞑想するしかなくなる。これは日常生活や周囲との関係性にある種の危機をもたらすかもしれないが、それを乗り越えることを魂は要求する。こうして波動の上昇は少しずつ急速化し、第三イニシエーションまでに人間全体が完璧に魂に向くようになる。諸体がすべて魂の波長と一致でき、なおかつそれを持続できるようになったとき(それは三界それぞれの低位四亜界を征服することを意味している)、第一と第二のイニシエーションがそのためのものでしかなかった変容と自我の終焉が現実のものとなるだろう。

第二イニシエーションの後、教えは一つ高位の界層へと移り、イニシエートはメンタル体を統御することを学ぶ。彼は想念物質を操作する能力を発達させ、想念を創造的に構築するための法則を学ぶ。彼はメンタル界の低位四亜界で自由に機能するが、第三イニシエーションを受けるまでには――意識的であれ無意識のうちであれ――三界の低位四亜界を完全に征服していなければならない。小宇宙に関する知識は深まり、自分自身の性質を支配している様々な法則を理論的にも実践的にもかなり習得している。そのため、物質界とアストラル界とメンタル界の低位四亜界を実験的に征服しようとする能力が身につくのである。…高位三亜界の支配はまだ完全ではなく、イニシエートが失敗し間違いを犯すのはそのためである。高位三亜界の物質を完全に征服していないということは、これから支配しなければならないということである。

アリス・ベイリー「イニシエーションp.124
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